【カラテカ矢部太郎】大家さんと僕の休載状況と連載再開について
吉本に所属するお笑い芸人カラテカ矢部太郎さんが描く奇跡の実話「大家さんと僕」
政治汚職や殺人事件など社会事件をとらえる『週刊新潮』に連載されている本作。
88歳の大家さんと作者である矢部太郎の日常を描いた8コママンガとして
50万部を突破する快挙を成し遂げましたが大家さんの訃報を受け
2018年8月30日に休載が発表されました。
そこで今回は「大家さんと僕」の休載状況及び再開についてまとめていきたいと思います。
受賞スピーチと『大家さんと僕』の関係
2018年『手塚治虫文化賞』の『短編賞』に受賞した「大家さんと僕」ですが
その誠実な受賞スピーチに会場も号泣、勇気をもらったと絶賛されました。
その中でも大家さんとの絆が伝わってくる言葉を一部抜粋します。
僕はいま40歳で、38歳のときに漫画を描き始めました。
38歳で漫画家になると言ったら、普通は周囲が全力で止めると思うのですが、
僕の場合は、「作品にした方がいいよ」と言って下さった方がいました。
倉科遼先生は僕の漫画をとても褒めて下さって、自分が自費出版してでも出したいと言って下さいました。
相方の入江くんもすすめてくれて、入江くんの方は僕はあんまり覚えていないんですが、
本人がそう言うので、そうなんだと思います。
だから、新しいことに挑戦するのが苦手な僕ですが、描き始めることができました。
他にも、デジタルで描いているので、文明の利器に助けられたということもあると思います。
でも一番は、大家さんがいつも、
「矢部さんはいいわね、まだまだお若くて何でもできて。これからが楽しみですね」
と言って下さっていたのですね。
ご飯を食べていても、散歩をしていても、ずっといつも言って下さるので、
本当に若いような気がしてきて、本当に何でもできるような気がしてきて……。
これはあまり人には言っていないのですが、僕の中では、38歳だけど18歳だと思うようにしていました。
だからいま、20歳(ハタチ)なんです。
何を開き直っているんだと思われるかもしれませんが、これは本当に効果があって、10代だと思ったら大概の失敗は許せました。
「大家さんがいつも、『矢部さんはいいわね、まだまだお若くて何でもできて。
これからが楽しみですね』と言って下さっていたのですね」
「本当に若いような気がしてきて、本当に何でもできるような気がしてきて」
この言葉からも大家さんと作者の矢部の間にある絆や
信頼が伝わってきます。これはただの友人関係などではなく
人生の師匠のような、もう一人の親のような不思議な関係だから出た言葉だと思います。
また、新刊JPの特集での紹介でも
矢部さんが今回書き上げたのは、88歳になる大家さんとの日常を描いたマンガ。
家族でも恋人でも友達でもない、「大家と入居者」の関係なのに、お茶をしたり
電話したり、一緒に鹿児島旅行をしたり。
のんびり、ほっこりしつつ、ちょっと可笑しな毎日が、柔らかな絵柄で書かれています。
とあるように物語内でも語られますが
互いに常に寄り添ってそれでいて負担を掛けない関係をゆっくり築いていったようです。
けれど大家さんが入院し突然大家さんを失うことの感情が作品にも描かれていました。
続編の期待が出始めた頃のインタビューでも
矢部さんは語っていました。
ぼくのなかに
「描くなら、早く描かなきゃ」という
気持ちもあるんです。
なんていうか、大家さんのためにも‥‥。
受賞スピーチにもあったように
うまく言葉にできない気持ちを漫画で描けていけたら・・・
そんな気持ちが伝わってきます。
自転車のエピソードは結末だったのか
単行本の描き下ろしの際にどうしても書きたくて最後に書いたという1ページ。
自転車をこいでいたら大家さんを見かけるシーン。
大家さんのいつもよりも小さく見える姿と暗い顔に
矢部さんは声をかけないまま通り過ぎます。
いったんはこれで終わりにしたかったという矢部さんが
最後に描きたかったのは大家さんに声をかけずに通り過ぎるというシーンに
大家さんが入院したときに何もできなかったという近くて遠い存在だという
気持ちが感じられます。。。
『大家さんと僕』の休載と再開
続編の連載が始まり大家さんを失ってしまった矢部太郎さん。
大家さんの訃報に対し矢部太郎は
「あまりに突然のことで僕は、まるで全てが失われてしまったかのような
喪失感でいっぱいです」
とコメントしている事からその悲しみの深さは
尋常なものではない事が伺えます。
『大家さんと僕』の読者のみなさまへ
ご報告があります。 pic.twitter.com/FAaIvGkzld— 矢部太郎 カラテカ (@tarouyabe) 2018年8月23日
ツイートから大家さんだけでなく大家さんの家族とも仲良くしていた事や
矢部太郎が誠実でものすごく真面目で情に厚い人物だという事が伝わってきます。
手塚先生はどんなに売れっ子になられても
若い作家の先生の作品を読んで嫉妬されることがあったというお話を聞いたことがありまして
天国の手塚先生に、僕の本を読んで頂き
そしてほんの少しでもいいので嫉妬して頂けたら、嬉しいです
受賞スピーチにも天国の手塚先生へ読んでもらいたいと気持ちがあるように
きっと大家さんにも読んでもらいたいという気持ちが
湧いてくるのではないかと思います。
今は悲しみに暮れてもその時まで
ほっこりした気持ちになる『大家さんと僕』を再開してくれることを待ちたいですね。
大家さんのご冥福をお祈りします。
まとめ
大家さんとの不思議な関係を描いた「大家さんと僕」ですが
矢部太郎という人の魅力がたっぷりの、読めばファンになってしまうような作品です。
大家さんが見守ってくださる中で
きっとまた素晴らしい作品作りを再開されていくんだと思います。
以上「大家さんと僕」の休載状況及び再開についてまとめてみました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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